2.A 皆様からのお便り 「2023 ラグビーワールドカップに寄せて」 西妻 多喜男様
2023 ラグビーワールドカップに寄せて 西妻 多喜男
オリンピック、サッカーのワールドカップと並び、世界3大スポーツ大会の一つであるラグビーのワールドカップが
9月より開催される。
1987年の第一回ワールドカップ開催までは、1883年開催のホームネーションズ(イングランド・スコットランド
・ウエールス・アイルランド)で対抗戦が行われていたが、基本的には各国間のテストマッチにより世界の趨勢が
認識されていた。
ワールドカップ以外でも1910年には英国4か国にフランスが加わり5ネーションズ、2000年にはイタリアが
加わり6ネーションズとして対抗戦が行われている。
また南半球においても、競合4か国(ニュージーランド、南ア、オーストラリア、アルゼンチン)によるザ・ラグビー
チャンピオンシップが開催されるなど、対抗戦が盛況となっている。
このほかにも各国のクラブチームによる世界的なゲームが行われており、ラグビーのレベルは年々向上している。
このような世界情勢の中、前回の日本でのワールドカップでは、オールジャパンが8強入を果たしたが、世界との
ギャップはまだまだ大きく、今回の予選で戦うイングランド、アルゼンチンの2強を倒せるかが最大の課題。
【ラグビーワールドカップ2023 フランス 組合せ】
ジャパンは本戦までのテスト試合として、イタリア戦を残し 1 勝 4 敗と十分な成果は出ていないが、強味を再度認識
し、チームビルディングする必要がある。
ジャパンの得意とする低いタックルにも係わらず、2 名の退場者はハイタックルによるものであり、本戦までにこの点
を修正できるかも大きな課題。
過去の成績からは圧倒的に南半球が優位であるが、アイルランド、開催国フランスも面白い存在である。
バレーボール、サッカー、野球等海外での経験豊富な選手が増えてくることが、強化には必要であるが、高額で外国人を
招聘し、短期間だけ国内でプレーさせている現状がジャパンの強化に結び付くのかは大きな疑問である。
国内リーグのリーグワンは外国人の招聘により高額な運営費を負担しなくてはならない状況であるが、一方では平均の
観客動員は平均 3 千人~5 千人と伸長しておらず、個々のチームは難しい運営を余儀なくされている。
三菱重工のダイナボアーズもトップ12チームに残留できたものの、選手の獲得には非常に苦労しており、既存邦人選手の
成長と三菱グループの応援が必要である。
以上の通り今回のワールドカップは非常に厳しい道のりであるが、是非決勝リーグへの進出、ベスト8の壁の突破を
果たし、大谷選手のように日本全体を明るくしてほしいものである。