皆様からのお便り 「フィリピン駐在時の日々」 中田 幸男様
中田様より初めての投稿ありました。1989年に長船第二工作部入社され、2019年 MHPS(Philippines)Inc.に勤務された
経験談を投稿頂きました。現在は三菱重工パワー検査社長として横製(本牧)構内に勤務されています。(伊藤)
フィリピン駐在時の日々 中田 幸男
私は長船工作部(ボイラ)出身で、‘23/5に新規入会させて頂きました。海外駐在として思い出深いMHPS Philippines
(フィリピン/バタンガス;2019~2021年)での日々を綴ってみました。〈日常編〉
1. MHPS Philippines (MPW-PHL、現Mitsubishi Power Philippines)
当該社はバブコック日立が1989年設立したボイラ耐圧部品(産業用等)の海外製造拠点でしたが、2014年MHPS発足に
伴って傘下となりました。
その数年前に、自分は海外調達先として訪問したことがあり、まさかここに駐在
とはと運命を感じました。
製造能力は長崎ボイラ工場の1/8程ですが、在任中には超々臨界圧ボイラ部品も
製作していました。
現在はフィリピン国内のアフターサービスが主体となってきており、パグビラオ,マシンロック,地熱等に加え、他社製ボイラやBOPにもビジネス拡大中です。
2.フィリピンの仲間と過ごした日々
とにかく陽気で明るく、フレンドリー。女性社員比率が高い(当時24%)こともあり、常に会話に笑い声が混じります。勤勉で強さ溢れる女性が多くのライン長で活躍、作業長も立派に務めるほど。またLGBTも当たり前のボーダーレスでした。日常の協働,イベントでの共感など
かつての日本の温かみを覚えました。
3.コミュニティとの繋がりを実感した日々
地域社会と会社との繋がりを、様々なCSR活動を通じて貢献度を実感できる機会を多く持てました。
清掃ボランティア,植樹活動,地元警察と連携,奨学金支援,職能養成,生活支援など直接地域の人々に接し、
心からの感謝と笑顔に触れられた感動は忘れられません。人としてお役立ちできたかな・・と。
4.窮地を凌ぐ日々
赴任した2019年は行事満載の多忙な日々でしたが、翌年以降はスリリングな日々でした。
年明けにタール火山噴火(会社から約24Km北)と頻発する火山性地震の発生です。一時工場閉鎖しましたが、
風向きに助けられて火山灰の影響も少なく、怖がりのナショナルメンバを激励して操業再開できました。
3週間前に観光で訪れていたので、命拾いでした。
次はコロナ禍、当時のドゥテルテ大統領の即断でコミュニティがロックダウンとなり、
酒類販売禁止も追令。
原則出勤禁止の中、自主出社する日人駐在員とナショナルには助けられ、元気づけられま
した。
数か月して操業許可、そして屋外スポーツも許可され、週末ゴルフが再開できたことは幸い
でした。
ままならないことも多々ありましたが、今では短い日々に思え、フィリピンでの経験が
帰国後も活かされていると感じる今日この頃です。