皆様からのお便り 『2024年 長崎くんち モッテコーイ』  松浦一郎様

   『2024年 長崎くんち モッテコーイ』      松浦一郎

【タナボタの桟敷席】
 
 『良かったらどうぞ』と差し出された封筒。その中には、長崎くんち初日10月7日の御旅所桟敷席の
チケット2枚が‼ タナボタで有難いものを頂きました。

 おくんち初日の直前天気予報は雨で、延期になるかも?と気を揉みましたが、前夜に決行が決まり、初めての
おくんち桟敷観賞を楽しみにしていた妻と共に出かけました。

 初日御旅所での踊り町は、興善町、八幡町、万才町、西濱町、麴屋町、銀屋町、五嶋町の順で、後半に龍船、川船
鯱太鼓、龍踊りが続くオーダーでした。

【酷暑の中の練習と引き手の気迫】
 
 今年の夏は、日本全国酷暑でしたが、長崎は、なんと熱中症警戒アラートの発生回数が、全国1位。それを誰にも
納得させる様な高温多湿状態が夕刻になっても続いていた長崎の街中では6月の小屋入り以降、19時を過ぎると
あちこちで大きな掛け声を出し、大汗をかきながら、各踊り町が、おくんち出し物の練習を毎日毎日、熱心に行って
いました。

 その成果を発揮する本番。酷暑をものともしない連日の練習で鍛え上げられた若々しい引き手達の気合の入った
身構え、そして何より鋭い眼差し。それを間近に見る桟敷席。

  長崎の将来も明るいぞ!と感じた瞬間でした

【観客の気合と豆絞り】

 白トッポの指導で盛り上がり熱くなった観客は、各踊り町の豆絞りが投げられる場面になると立ち上がっては
いけない、と言われていたのを忘れたかの様に、最前列に近い人達が、背を一杯に伸ばし、大きく手を広げて、
あたかも大谷翔平のホームランボールを追うかのように豆絞りを叩き落とす。

 私達が居た席は、そこから2-3列後ろだったので、豆絞りは無理だな、と思っていたところ、その人間ブロックの間
をすり抜けて近くに飛んで来た豆絞りを運良く5つキャッチ。その内、2つを近くの席のご婦人にお譲りしたところ
丁寧に感謝され、こちらもほっこり。

【雨乞いの踊り龍踊で締め】

 7番目最後の踊り町は五嶋町で龍踊。その少し前から怪しい雨雲が近づいて来ていました。
 龍が登場し、場内の解説で、龍踊りは元々雨乞いの踊りでした、という話が紹介されると、それに乗じた様に
雨が激しくなって、簡易テント屋根の桟敷席は雨でずぶぬれ。

 観客も多くが退出して、人は疎らになりましたが、大粒の雨が落ちる中、居座り、今年の記録的猛暑の中で、
しい練習を積み重ね鍛え上げられた気迫の奉納踊りをタナボタの桟敷席で、ゲットした豆絞りを手に、最後まで
モッテコーイを連呼しながら、堪能させて貰った2024年長崎くんちでした。