牧浦秀治様

 

〇牧浦 秀治 様           New!


長船所内駅伝裏話(応援者)            報告者 牧浦

 腕を振る・地を蹴る・風を抜く。メガホンを口に当てる・声を上げる・旗を振る。駅伝は走る人と応援する人からなると、最短距離3.8km
でさえ走り切れない応援担当の私はそう言っている。
 無線・メガホン・旗・揃いのTシャツ・鉢巻・太鼓・選手名簿。応援の七つ道具だ。3.8kmの各地点に配置した応援者に「次はだれが来るぞ、
今何位だ」と無線で連絡すると前からやってくる我が選手を応援することができる。

 長船駅伝も参加チームが200を超すようになり、タイム計測もストップウォッチから襷に埋め込まれたチップによる自動計測になった。チームの
順位と走者のタイム表は、駅伝が終わったと同時に出来上がる。大型スクリーンでチームが今どこを走っているかも表示される。大型スクリーン
は襷の受け渡し場所近くにしかなく、やっぱり連絡用に無線の代わりに携帯電話が必要だった。

 今回、IT・ICT・IoT化はさらに進んでいた。隣で応援していた女性がスマホをだし、タッチしフリックして、「当社は何位」と教えてくれる。
(以下はその時の画面)
応援の7つ道具の無線を持つ人は誰もいなくなった。

        画面-1                   画面-2                  画面-3 


ある部署では各コースに設置されたテレビカメラで走っている状態を実況しテント小屋で応援できるようにしたそうだ。

「XX君、前は団子だ。一気に抜け」「あの角を曲がるとゴールだぞ」「頑張れ!頑張れ!死ぬ気で後1キロ走れ!」など声を張り上げる。「牧浦さん、遠くからTシャツで分かりました。あの箇所だけは力が入りました」「牧浦さんの声が聞こえました。ああ、仲間がここに居るんだと思うと力が入りました」とご苦労さん会で言ってくれる。
IT・ICT・IoTがどんなに進んでも応援は、鉢巻を締め選手と同じTシャツを着てメガホンを持ち沿道に立ち大きな声で走者の名前を叫ぶ。それが、襷の重みに耐え心臓の鼓動と戦っている孤独なランナーの背中を押す。沿道で声を上げる応援団の私の職は安泰だ。

                                   以上