皆様からのお便り 「横浜の春の味覚」 若林 嘉幸 様

 春野菜の「フキノトウ」と「ウド」の料理の話題を若林嘉幸様より投稿頂きました。長崎での味が忘れられなくてスーパーで
春の味覚を探して自分で料理された素晴らしい春の食卓を紹介頂きました。若林様は昨年秋から小さな菜園にも精を出しており、今後その成果も投稿頂けるとのことで楽しみにお待ちしております。【伊藤】

「横浜の春の味覚」   若林 嘉幸

 皆さんの「春の味覚」は何ですか?私がまず思い浮かべるのは「フキノトウ」です。
 長崎では、毎年2月の中旬になると、偶然見つけた滑石の裏山の秘密の場所へ、フキノトウを取りに行っていました。 取り立てのフキノトウは、天ぷらやフキ味噌にして美味しく頂きました。フキノトウの香りが口から鼻に抜けると
春が来たような幸せな気分になりました。
 家でもフキを育てようと、小さなフキの葉っぱを根っこごと持ち帰り、庭に植えて増やし、数年後には毎年フキノトウ
が取れるようになりました。また夏にはフキの煮物を楽しんでいました。
 さて、私は横浜に来てもうすぐ4年になります。横浜に来た頃は、春にフキノトウが食べられなくなり残念に思って
いました。
 ところがある日、デパ地下の八百屋でフキノトウを見つけました。長崎の八百屋でフキノトウを見たのは数回しかあり
ませんが、横浜では注意して見ると、ほとんど毎日見つけられます。さらに全国各地からフキノトウが入るので、
2月から4月頃まで楽しめます。
 2年ほど春にフキノトウを楽しんでいましたが、昨年更においしい春の味覚を見つけました。それはウドです。
ウドは長崎ではほとんど見たことがない野菜ですが、北関東で栽培しており横浜ではこの時期にどこの野菜売り場
でも見かけます。ウドは厚めに皮を剥いて、短冊状に切り、そのまま柚子味噌で食べるのが一番美味しい。
シャキシャキする触感と、口から鼻に抜ける優しい香りは、フキノトウとは異なる春の香りです。
 剥いた皮はキンピラで、柔らかな穂先は天ぷらで美味しく頂き、残すところがありません。
 横浜に来て、関東の春を満喫する楽しさを知りました。皆さんも是非お試しください。

写真は、休日の春を味わう食卓です。食材は、近くのスーパーで調達したウド(那須産)、フキノトウ(魚沼産)、
タラの芽(新庄産)、蛍烏賊(兵庫県産)です。
【下の皿】 ウドの穂先、フキノトウ(一部)、タラの芽は天ぷらに。コツのいらないてんぷら粉を使うと誰でも
      うまく揚がります。
      残りのウドは、皮を厚めに剥いて、短冊状に切り、お酢を入れた水につけてアクを抜き、
      そのまま柚子味噌で頂きます。
【上の皿】 ウドの皮は、人参、コンニャクと一緒にキンピラに。この日は蛍烏賊を少し入れました。
【右上の皿】 残りの蛍烏賊はからし酢味噌で頂きます。
【中央左の皿】フキノトウの残りはフキノトウ味噌です。
【中央右の皿】ウドの短冊です