大森安芳様

■お便り

このコーナーは新入会員の自己紹介の他、皆様からのお便りを掲載します。「私が今取り組んでいること」,「ちょっといい話」なんでも結構です。事務局にお寄せ下さい。

連絡先  小笹源水  

  メールアドレス gensuikozasa@yahoo.co.jp  住所 106-0047 港区南麻布1丁目26-5-101  電話 090-4981-9402 

 

〇大森 安芳 様  New!

長機会の皆様

ご無沙汰しております。サウジアラビアから大森です。
毎年9月の総会には都合が付かず欠席ばかりで申し訳ありません。
私は現在2014年にサウジのダンマン市内に設立されたMHPS Saudi Arabia (MHPS-SAU)で勤務しており(所属は長崎サービス部)、年間約300日はサウジに滞在しております。
この会社は高砂のサービス部が主体となり、ARAMCO向けGTの補修工場として立ち上げ、昨年春からは高温部品の補修を実施する第一工場が稼働し、今年5月にはRotor補修を行う第二工場の稼働を予定しています。
この第二工場が稼働後にはSTのRotorの補修も可能になり、今までISCOSA社(SEIMENS傘下)の独壇場であったサウジのRotor補修に当社が参入できる事になります。

サウジアラビアはご既承の如く、近年の油価の低迷で緊縮財政を強いられており、多くのP/Jの先延べやキャンセルが相次いでいましたが、先般のOPECでの減産合意で油価も多少持ち直してきており、少しずつですが経済状況も改善の兆しが見えてきました。
又、一昨年に就任したサルマン国王(サウジ王家の主流のスデイリー・セブンの最期の王子)による2030年ビジョン(2030年までにOil依存の体質からの脱却)を立ち上げ、彼の息子のムハンマド副皇太子を中心に活発に活動しており(一部から彼の動きは専横すぎるとの批判も出ており、隣国イエメンへの軍事介入も彼の発案と)、財政赤字の削減を目的としたARAMCO株の公開(時価総額は200兆円を超すとされ、上場はそれの5%と予想されている)も近々実施される事になる様です。
米国ではトランプ政権が動き出したが、オバマ政権時代には米国とサウジとの関係は必ずしも良好とは言えませんでした。米国では昨年2001年の同時多発テロの損害賠償請求を外国政府(サウジを念頭)に対して実施できる法案を可決したり、イランへの制裁を大幅に緩和したりと、サウジ政府を刺激する様な動きが続き、昨年春のオバマ大統領の訪サ時に、通常ならば国家元首の到着は国王か皇太子が空港まで出迎えるのが慣例だが、この時には大臣クラスのみが出迎えた事さえあり、“米国を冷遇しているのでは”と話題になりました。
トランプ政権は対イランには強硬な姿勢を見せているが、一方イスラエル寄りの姿勢も見せており、サウジとの関係はもう少し様子を見る必要があるでしょう。日本との関係は昨年10月に世耕経産大臣の訪サ時に、サルマン国王、ムハンマド副皇太子との直接面談が実現しており、これは大臣クラスとしては極めて異例の事態で、“日本重視の表れでは”と奥田サウジ大使も言及しています。

私は1983年のMT-1(旧MCEC時代に受注した海水淡水化プロジェクト)を皮切りにクラヤ-II、ラビ-III、ガズラン-IIと立て続けに4Plantの建設に携わり、2004年にガズランから帰国後、翌2005年にはコバール市内にアフターサービスの事務所を立ち上げ今日に至っており、34年間サウジ一筋でやって来ました。
ではあと何年現役(サウジ駐在)でいるか? 体力的には未だ大丈夫な様なので、あと数年は頑張れるかな?  皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。

MHPSサウジアラビヤ前にて 訪サ中の安部首相、宮永社長(随行)と筆者 (右端)2013年5月