皆様からのお便り 「マリンマシナリ近況報告] 堀 俊明 様【特別寄稿】

マリンマシナリ近況報告(2022年2月24日付け)
                           三菱重工マリンマシナリ㈱ 取締役社長 堀 俊明 

 三菱重工マリンマシナリ㈱は、2013年10月に事業会社化し、長崎を主要拠点とし、世界の海へ安心・安全な舶用機械を
提供し続けています。
 現在、新型コロナウィルスの感染拡大により、世界経済は大きな影響を受け続けておりますが、形を変えつつも経済活動は
徐々に回復に向かっており、アフターコロナを睨んで、各業界で打ち手を展開しているところと考えます。

 海運・造船業界を取り巻く市場環境は、コンテナ船を中心に新造船の発注が急激に回復しておりますが、燃料価格の高騰や
環境規制強化等の影響もあり、今後の新造船及び就航船への対応技術の見極めや研究・開発等、非常に目まぐるしい動きを
見せている状況です。

 当社は、一昨年新設した事業統括室を、昨年5月に事業開発室に名称変更し、お客様の関心やニーズが急速に高まっている
CO2排出削減や、将来のGHGゼロエミッションに向けた新技術やソリューションの検討・開発を一層加速する体制としました。

 地球規模の気候変動の脅威への対策として、カーボンニュートラルやゼロエミッションに向けた動きが進む中、新燃料への
移行に応じて新製品やシステムをどう開発・適用するかが最大の課題と捉えています。  
 これまでルール・規制が欧州主導で作られる中、日本は後追いで何とか競争力を発揮してきましたが、燃料転換が進めば、
これまで経験のない燃料を取り扱うことになり、規制・ルールづくりに早めに入り込むことが重要と考えています。
 
 そこで、一昨年より海事産業の脱炭素化を促進する研究機関『マースク研究所(*)』に発足メンバーとして参画し、様々な
プロジェクトに参加することでルールや規制に関する情報をいち早く入手し、今後の方向性をつかむ活動をしております。
  (*)The Mærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shipping

 将来のGHGゼロエミッション実現のため、新たな技術、ソリューションの開発、実用化並びにシステムインテグレーター としての機能を発揮して行くため、三菱重工グループ全体として取組みを強化しており、グローバル展開も図って参ります。  


(以下に関連リンクを添付しております。)  

関連リンク
  https://www.mhi.com/jp/group/mhimme/news/topics/200625/pdf/0105_J.pdf
  https://www.mhi.com/jp/group/mhimme/news/210428.html
  https://www.mhi.com/jp/group/mhimme/news/210520.html
  

既存事業においては以下の実績がありますのでご紹介致します。

(1)1885 年(明治18年)のスコッチボイラ(円ボイラ)から始まる 130 年以上に亘る長い歴史がある
   舶用ボイラが、昨年8月に累計6000台出荷を達成しました。
(2)燃費改善によりGHG削減に貢献する高性能プロペラへのレトロフィットは、昨年12月に受注累計100基となりました。
(3)MET過給機については、昨年11月に軽量かつ大容量である新型MET-MBII過給機を搭載した船舶が就航、直近では
   本年2月に、国内最大の舶用大型エンジンメーカである三井E&Sマシナリー向けにMET過給機の製造・販売ライセンスを
   新規に供与致しました。

 関連プレス記事のリンクを以下に添付しておりますので、長機会の皆様方にもご査覧頂ければ幸いです。

 

関連リンク
  https://www.mhi.com/jp/group/mhimme/news/210907.html
  https://www.mhi.com/jp/group/mhimme/news/meet_no21_01.html
  https://www.mhi.com/jp/group/mhimme/news/meet_no21_02.html
  https://www.mhi.com/jp/news/220221.html