皆様からのお便り  「寺子屋」  藤川 卓爾

淡路島での寺小屋教師を祖先に持つ藤川様が今回は川崎市の小学校での「キーパーソン21」と言う寺小屋教育のボランティア
活動を報告して頂きました。得意の回転体技術を”将来の技術者”に伝道されていて興味深い記事です。【伊藤】

   「寺子屋」  藤川 卓爾

 一番下の孫が川崎市の小学校に通っている。川崎市のNPO法人キーパーソン21がその小学校で「寺子屋今井学習室」
を運営している。「寺子屋」では、小学校3~6年生を対象に毎週1回水曜日の放課後に図書室で宿題の指導をしたり
工作を教えたりしている。

 キーパーソン21は平成12(2000)年に設立され、小中高生を中心と
したキャリア教育を事業としている。代表の朝山あつこ氏は次のように
言っている。
 『今の日本の子供たちに必要なことは夢をもつこと、固く言うと自己
実現に向っていくことで、どのように生きたいか、どんな人間になりた
いか、どんな仕事がしたいのかをはっきりさせることである。
 そのためには、子供たちはもっともっと仕事について知る必要がある
と感じるが、今の日本の教育の中では、受験勉強に多大なエネルギ-を
注がねばならない状況が続き、大半の子供は何のために勉強するのか?
何のために学校に通っているのか? 将来自分は何をしたいのか?
どんな職業があるのか? が分からず、自分の将来の職業や仕事について
考える機会もなく進路を決めている。誰でも一生のうちで、あの人みた
いになりたい、あの人のあの一言が頭に焼き付いてこの道に入った、
  あの人のあの行動が心に残ってここまでがんばった、と言えるような「生き方」や「職業」を選ぶきっかけになった
 言葉・出来事・人物の存在があると思うが、そんな人生の左右を分けた人、生き方を変えるきっかけとなった人に巡り合う
 必要がある。その人をキーパーソンと呼ぶ。
 キ-パ-ソン21という言葉には「21 世紀を担う子供たちの心の扉のかぎを握る人」という意味も込められている。』

武蔵小杉のタワーマンションが増えて児童数が増えたのを受けて3年前に開校した小杉小学校でも本年9月から「寺子屋」
始まった。
その記事が読売新聞に掲載された。「寺子屋」は川崎市内で79ヶ所あるということである。

 キーパーソンになれるかどうか分からないが、私は本年5月から「寺子屋」に参加している。「寺子屋」の先生は子供たち
の母親世代の女性数人であるが、その中にただ一人後期高齢者の男性として私が入っている。

 子供たちは「寺子屋」に来て先ず宿題をする。なかなか熱心に
やっている。気になるのは子供たちの鉛筆の握り方である。左手で
書いたり、右手でも極めて持ち難い握り方で書いている子供たちが
多い。
 これを上手く指導できないのが悩みである。
 私は「淡路少年少女発明クラブ」で子供たちに工作を教えている
ので、最初はそこで実施した「メビウスの輪」とか「ミウラ折り」を
試みたが、子供たちが余り乗って来なかった。
 「発明クラブ」は工作が目的の会であるが、「寺子屋」は一種の
学童保育のようなものである。工作も与えられたものを作るのでは
なく自分で好きなものを作るというのがいいようである。
 偶々、クッキーが入っていた箱が「ハウス」の形で面白かったので
これを試みたらヒットした。

 具体的な形をしていて、かつ動くものとして
「オランダ風車」を試みたときには、手伝いに来て
いた男子中学生が興味を持った。

 「動くもの」が面白いだろうと思って、
「3極モーター」を持って行ったら、モーターで何か
を動かすことに興味を持って自分たちで色々と工夫
していた。

 モーターに興味があることが分かったので、次は
「コイルモーター」作りを試みた。これは子供たちに
とっては結構根気がいる工作であるが、アシストしながらなんとか回るようにした。

   

子供たちと接すると気持ちが若返る。
微力ながら子供たちの育成に少しでもお役に立つ
ことが出来ればとボランティアに励んでいる。以上