皆様からのお便り 『絵本になったモジュール』 内田聡様

2007年10月に150周年事業として「よもやま話」が発刊されました。当時の資料を整理していたら、紙面の都合で未採用となった貴重な「よもやま話」の原稿が出てきました。ここに、逐次掲載します。当時、プラント設計部長だった内田聡様から頂いたものです。
                                                     「牧浦記」
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絵本になったモジュール輸送
                                                      内田聡
   
モジュール工法とは、発電所などが建設される場所での工事をできるだけ少なくする為に、長崎の工場で完成品に近い姿にして納めるこ
とである。大きくなればなるほど大掛かりな輸送手段が必要になる。長船では1980年2月、サウジアラビア・メディナ・ヤンブのボイラ
(蒸発量325t/h)に始まり、規模を大きくしていき、1987年8月にはサウジアラビア・クラヤのボイラ(蒸発量2080t/h)にも適用を
広げた。

建設する場所が狭いことから、海外だけでなく国内でもこの工法は積極的に採用されている。モジュール工法の制約は一個当たりのモジ
ュールの重量である。総重量が1000㌧を超えると工場での船出し(ロールオン)時や建設される現場への輸送船からの陸上げ(ロール
・オフ)には通常のクレーンでは重すぎて対応が難しい。

北海道電力に納めた加圧流動床ボイラ(PFBC)はモジュール工法を採用し全体の重量が3000㌧の大きさとなった。長崎造船所の深堀地区にあるモジュール組立場から船に乗せて北
海道の建設現地まで運ばれる。3000㌧の重さのモジュールを抱え上げて船に乗せる、また船
から陸に揚げて建設現地に降ろすのにムカデのような形をしたトランスポータが使われた。

この時の様子が子供向けの絵本「最新はたらく自動車」(講談社)になった。モジュールは94年10月19日深堀モジュール組立場でトランスポータ(上図の茶色の部分)を使ってバージ船に乗せられて太平洋を移動し北海道の目的地には10月30日到着した。

絵本「最新はたらく自動車」は"ニューパーフェクト16"としてモジュール積み込みの翌年1995年7月25日(第1刷)に発刊されました。 あれから30年、あの絵本を読み聞かせていた娘は二児の母になっている。
         

                                                            以上