ボランティア活動.(河合武久様)

〇河合 武久 様   

定年退職後の過ごし方:ボランティア活動奮闘記         29・3・4
     河合武久


1.はじめに
企業戦士として一生懸命駆け抜けてきた後、定年退職後にどう過ごすか?趣味に生きる、ボランティア活動をする、などなど人それぞれであろう。
長機会のメンバーは、篆刻、漢詩、俳句、絵画、仕舞、小唄など玄人はだしの多士済々の方々が居られるが、無芸・無能の私はボランティア活動に
精を出すことにした。「神奈川善意通訳者の会」という団体に入って、海外から来る留学生、研修生、その他外国人に、日本文化紹介、鎌倉、横浜、
川崎、大山、横須賀等の観光地案内をしている。

この会は、会員数約340名、対応言語は英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、中国語、韓国語、タイ語に及ぶ。現役時代海外で
活躍して来られた方、又、その家族が多く、これ又多士済々の集まりである。

2.活動の一端を紹介すると、
(1)研修生への鎌倉、横浜観光案内
   日本へは、JICAなどを通じて様々の分野に、様々な国から多くの若い研修生が来日して勉強していることに驚かされる。省エネ技術、警察
   のシステム、ごみ処理、老人介護、などなど。彼らは平日は缶詰になって専門分野の勉強に精を出しているが、休日に息抜きも兼ねて日本
   文化を楽しむことを、私達が手伝っている。日本で一番印象に残ったのは、ボランティアの人達との鎌倉観光でした。という感想には、疲れ
   が癒される。
 

写真1 JIA研修生鎌倉案内 ( JICA大仏) 写真2 東工大留学生「三菱みなとみらい技術館」案内

   
 (2)留学生への日本語支援
   主に横浜国大の留学生に、日本語を教えたり、市役所、病院など生活一般に付き添い生活支援をしている。
   私は、法学部博士課程のベトナム留学生博士論文の日本語添削指導をした。論文の表題は「銀行取締役の善管注意義務」。一介のエンジニア
   出身の私にとって、内容は難解を極めた。留学生のドク君は「何も分からない河合さんに理解して貰うために、一生懸命説明しているうち
   に、私の頭が整理されて、大変役に立った」と優しいことを言ってくれた。彼は無事博士号を取得し、現在、三井住友フィナンシャル
   グループ・ハノイ支店人事課長として活躍している。案内するから来ませんか、との誘いでハノイに行き、ご家族とも会って良いベトナム
   旅行も出来た。

(3)日本文化紹介
   留学生や在日外国人を、座禅、弓道、茶道、ゆかた会、などに案内して、日本文化を体験して貰っている。私自身、この活動を通じて、
   生まれて初めて座禅、弓道、を体験した。観光して廻るだけでなく、日本文化を体験して貰うことで、日本の心をより良く理解して日本の
   ファンになってもらえると実感する。
   活動の一端を、次のyou-tube で紹介しているので参照されたい。
    



3.人生の生きがいと草の根国際親善
人生の生きがいとはなんだろうか。人に喜んでもらうこと、が大きな生きがいの一つだと思う。 この年になると人に喜んでもらうことが少なくな
る。正月に孫にお年玉をあげる時位のものだろう。ボランティア活動で、色々な思いを抱えてはるばる日本にやって来た若者たちの面倒をみると、
これは純粋に喜んでくれる。

 日本に来る留学生、研修生はいろいろな辛い事情を抱えながらも、大部分の人達は青雲の志を
 抱いて、希望に燃えて日本にやってくる。それらの若者たちが少しでも目標に近づけるよう手助
 けをして、日本と日本人を理解し日本のファンになってくれれば、これほどの生きがいは無い。
 インドネシア、フィリピン、ベトナムとの経済連携協定に基づいて、何百人という若者が日本に
 来て、介護、看護の研修を行っている。日本の資格試験の理不尽な難しさ、制度の複雑さのため
 に、若者たちは苦労しているが、研修の合間を縫って、一日鎌倉で一緒に遊ぶと、心から喜んで
 くれる。明るく、親切で礼儀正しい彼らを見ていると幸多かれと祈らざるを得ない。

 2016年に日本に来た中国の観光客の数は640万人に上る。我々はその内のほんの一部と接触
 するだけだが、皆異口同音に「日本人は中国で教えられてきたのとはずいぶん違う。親切で礼儀
 正しく、街は綺麗だ」と好印象を持って、見直して帰って行く。毎年640万が10年続くと6400
 万人になる。人と人の草の根交流が必ず国同士の親善に繋がる筈だと信じて、草の根国際親善に
 精を出す日 々である。


 4.蛇足
 2020年オリンピック・パラリンピックを迎えて、ボランティア団体に活躍して貰わねば、との
 思惑もあってか、最近「ひょうしょうじょう」を貰うことが多い。下記サイトを参照されたい。

   

写真3 インドネシア介護士候補研修生と