菜園 若林嘉幸 様

今まで長崎のご自宅で家庭菜園を楽しまれていた若林様が東戸塚に転居され菜園を始められた趣味の記事頂きました。
植物にも相性がありそれを考えて成長を楽しまれているのはとても参考になりますのでご一読ください。(伊藤)


  シェア畑での野菜栽培    若林嘉幸

長崎では自宅の庭の一画で、小さな家庭菜園を楽しんでいました。ホームセンターで苗を買ってきて植える我流の栽培
でしたが、 成長・収穫が週末の楽しみでした。 2017年に横浜へ転勤となり、横浜駅の近くのマンション暮らしで庭が
なくなり、 しょうがなくベランダで、バジル、大葉、パセリ、小葱などを育てていました。
 2020年の夏に東戸塚に転居したのを機会に、近くでシェア畑を借り、今は畑で野菜栽培を楽しんでいます。
 長機会の趣味の欄には、高橋さんの大規模な農園の記事があります。私の菜園は高橋さんの農園の規模の1/100にも
及ばない 小さなものですが、私なりの楽しみを紹介します。(なお、この原稿は昨年の11月現在のものです。)

  1.シェア畑とは  

  シェア畑とは、サポート付きの貸農園です。私は2mx4mの区画を1つ借りて、160センチx60センチの畝を
4つ立てて 野菜を栽培しています。賃料は月に約1万円ですが、季節ごとの野菜の種や苗、肥料、水、必要な農具一式
が利用でき、また ベテランのアドバイザーのアドバイスが受けられるので、私のような初心者にとってもってこいの
システムです。もちろん 備え付けの種や苗以外に、自分が好きな種や苗を持ってきて植えることも可能です。
 シェア畑は有機無農薬栽培が条件で、化学肥料や農薬の使用は禁止されています。肥料は備え付けの有機肥料
(牛糞堆肥、 鶏糞、油かす)を使い、害虫対策は防虫ネットです。ネットの中に忍び込む虫には、「テデトール」を
使います。すなわち虫がいたら「手で取る」です。但し、アブラムシ対策の「油石鹸水」や、青虫やヨトウムシの
忌避効果がある「唐辛子焼酎液」などの自然農薬は備え付け られています。

       【シェア畑の全景】             【著者が借りている区画 4つの畝】

 2.栽培  

 畑を借りて1年ちょっとの間に、次の作物を栽培しました。  
  秋冬野菜:白菜、大根、キャベツ、ブロッコリー、青梗菜、小松菜、ロマネスコ、等々。
   春夏野菜:ミニトマト、ナス、甘長トウガラシ、キュウリ、枝豆、オクラ、モロヘイヤ、等々。

   栽培は、まず土を耕し、有機肥料を入れ込み、畝を立て、マルチシートを張ります。
   その後2週間ほど放置して有機肥料の分解・熟成を待ってから、種蒔きや苗を植付けます。
   無農薬栽培なので、防虫ネットは必須です。
    その後は適宜、水やり、間引き、支柱立て、誘引、摘芯、側枝の除去、害虫除去などを行い育てます。
    大きくなったら収穫で、とれたての有機無農薬栽培の野菜は新鮮で、とても美味しいです。

 【 畝を立ててマルチシートを張る】       【白菜と大根の収穫】         【ロマネスコの収穫】

ロマネスコは自分で栽培して初めて知った野菜です。カリフラワーの仲間で、その形は美しいフラクタル構造
(「どんなに 小さな 一部分をとっても、それが全体と同じ形をあらわしている構造」の事)です。
見て楽しく、食べて美味しい野菜でした。

3.コンパニオンプランツ
 
植物には相性があり、例えばトマトとバジルはお互いが助け合って育ちますが、このような植物はコンパニオン
プランツと 呼ばれています。
 *バジルの香りがトマトの害虫を遠ざける、バジルが土中の水をどんどん吸収するので乾燥に強いトマトの甘さが
  増す、という相互作用があります。
 *更にトマトとバジルを一緒に調理すると、美味しいイタリアンになります。
 *ナスやピーマンなどナス科の植物とマリーゴールドやパセリを混植すれば、マリーゴールドやパセリの香りが
  ナスやピーマンの害虫を遠ざけます。
 *ピーマンやキュウリとネギやニラを混植すれば、ネギやニラの根に共生する微生物が抗生物質を出して、ピーマン
  やキュウリの病気を予防します。
 *逆に、相性が悪い混植も有り、トマトやナスとジャガイモ、白菜やキャベツとネギは相性が悪く、ネギと混植
  すれば白菜やキャベツが結球しなくなります。
 このようなコンパニオンプランツの相関関係は、今ではネットで調べる事が出来ます。私の畝では今年の夏野菜から、
相関の良い野菜の混植栽培を始めています。
 甘長トウガラシは、マリーゴールド、ネギ、パセリを混植し、成功しました。
                   
                    【甘長トウガラシの例】

 
次の写真は今の2番畝です。キャベツ、茎ブロッコリと、白菜の収穫後に種を蒔いた冬大根を育てており、青虫等の
害虫が嫌うマリーゴールドと春菊を混植しています。

  
  今は、3番畝でそら豆と玉ねぎを、4番畝でロマネスコと春菊を混植しています


コンパニオンプランツの効果が吉と出るか凶と出るか、冬から春にかけての収穫が楽しみで